面接でマスクを外すタイミングに迷う人は、以前よりも増えています。
厚生労働省は令和5年3月13日以降、マスクの着用を個人の判断が基本とする考え方を示していますが、面接は日常生活とは違い、企業の方針、会場の雰囲気、面接官の着用状況、本人確認の有無などによって最適な振る舞いが変わります。
そのため、単純に「外すべき」「着けたままでよい」と決めつけるよりも、どの場面で確認し、どの言葉で伝え、外したマスクをどう扱うかまで準備しておくことが大切です。
この記事では、対面面接でマスクを外すタイミング、外すときの一言、着けたまま話したい場合の伝え方、業界別の考え方、避けたい失敗例まで、就活や転職面接でそのまま使える形で整理します。
面接でマスクを外すタイミングはいつ

面接でマスクを外すタイミングの基本は、入室直後に自己判断で外すのではなく、着席前後または冒頭の挨拶の場面で面接官に確認することです。
現在はマスク着用が個人判断になっている一方で、企業側には本人確認、感染対策、職場ルール、面接会場の運用などがあります。
したがって、もっとも安全なのは、会場までは清潔なマスクを着用し、面接開始時に「マスクは外してお話ししてもよろしいでしょうか」と短く確認する流れです。
入室前は着用しておく
面接会場に入る前は、原則としてマスクを着用しておくと無難です。
受付、待合室、エレベーター、廊下などでは、面接官以外の社員や来客と近い距離になることがあり、企業側の衛生意識や来訪者対応のルールが残っている場合もあります。
特に医療、介護、保育、食品、接客、物流のように人と接する機会が多い職場では、面接室に入る前の振る舞いも見られていると考えたほうが自然です。
ただし、着用していれば必ず好印象というわけではなく、汚れたマスク、毛羽立ったマスク、派手な柄のマスクは清潔感を損ねる原因になります。
会場までは白や薄いグレーなど落ち着いた色の不織布マスクを使い、予備を鞄に入れておくと、移動中に汗や化粧で汚れた場合にも落ち着いて交換できます。
着席前後に確認する
マスクを外す確認は、入室して挨拶をしたあと、着席を促された前後がもっとも自然です。
このタイミングなら、面接官が応募者の顔を見て本人確認をしやすく、応募者側も勝手に判断した印象を与えにくくなります。
たとえば「本日はよろしくお願いいたします」と挨拶したあとに、「マスクは外してお話ししてもよろしいでしょうか」と一言添えると、相手のルールを尊重する姿勢が伝わります。
面接官から先に「マスクは外していただいて大丈夫です」と言われた場合は、「ありがとうございます、失礼いたします」と返してから静かに外しましょう。
確認せずに急いで外すと、相手が着用を希望している場合に気まずくなり、反対にずっと黙っていると表情が伝わりにくいまま面接が進むことがあります。
指示されたらすぐ従う
面接官から「マスクを外してください」と言われた場合は、基本的にその指示に従って問題ありません。
本人確認、表情確認、声の聞き取りやすさ、オンライン登録写真との照合など、企業側には一時的にマスクを外してほしい理由があるためです。
その場では「失礼いたします」と短く添え、紐の部分を持って外し、机の上に直接置かず、マスクケースや鞄の内ポケットにしまうと清潔に見えます。
一方で、体調不安、花粉症、持病、家族への配慮などで着用を続けたい事情がある場合は、無言で拒むのではなく「恐れ入りますが、体調管理のため着用したままでもよろしいでしょうか」と相談しましょう。
面接では指示に従う姿勢も大切ですが、事情があるときに落ち着いて説明できることも社会人としての対応力として見られます。
迷ったら一言で確認する
面接官が何も言わず、応募者側も外すべきか迷う場面では、一言確認するのが最も失敗しにくい対応です。
現在の面接マナーは、マスクを外すことだけが正解ではなく、相手の方針を確認して合わせることが重要になっています。
- マスクは外してお話ししてもよろしいでしょうか
- 着用したままでも失礼にあたりませんでしょうか
- 必要でしたら一度外して本人確認いたします
- 体調管理のため着用したままでもよろしいでしょうか
確認の言葉は長く説明しすぎず、相手が答えやすい形にするのがポイントです。
「どうしたらいいですか」と丸投げするよりも、「外してよいか」「着用したままでよいか」を具体的に聞くほうが、面接の空気を止めずに済みます。
相手が着用中なら合わせる
面接官がマスクを着用している場合は、応募者も着用したまま進める判断が自然なことがあります。
面接官が着用している理由は、社内ルール、本人の体調管理、感染対策、同席者への配慮などさまざまで、応募者側が勝手に理由を決めつける必要はありません。
ただし、面接官がマスクをしていても「外していただいて大丈夫です」と言われることもあるため、最終的には案内に従うのが安心です。
| 場面 | おすすめの対応 |
|---|---|
| 面接官が全員着用 | 着用したまま確認 |
| 面接官が全員非着用 | 外してよいか確認 |
| 面接官が混在 | 冒頭で短く確認 |
| 案内に指定あり | 指定を最優先 |
相手の着用状況を見て判断することは大切ですが、見た目だけで決めきれないときは確認したほうが丁寧です。
特に複数面接官のうち一人だけがマスクをしている場合は、その人への配慮も含めて「このまま着用してお話ししてもよろしいでしょうか」と聞くと落ち着いた印象になります。
写真照合では一時的に外す
本人確認や履歴書写真との照合を目的に、面接の冒頭で一時的にマスクを外すよう求められることがあります。
この場合は、長時間外し続けるという意味ではなく、顔全体を確認するための短い対応であることが多いため、過度に身構える必要はありません。
外すときは、話しながら慌てて外すのではなく、面接官の発言が終わってから「失礼いたします」と言い、紐を持って静かに外しましょう。
確認が終わったあとに面接官から「着けていただいて大丈夫です」と言われたら、「ありがとうございます」と返して再着用します。
再着用の案内がない場合は、「この後は着用してお話ししてもよろしいでしょうか」と確認すれば、勝手に着け直した印象を避けられます。
Web面接では原則外す
Web面接では、対面面接と違って周囲の人との距離を気にする必要が少ないため、原則としてマスクを外して参加するのが自然です。
画面越しでは表情、口元、声の明瞭さが対面より伝わりにくく、マスクを着けたままだと声がこもったり、熱意や反応が見えにくくなったりします。
自宅、個室、会議室など安全に話せる環境であれば、開始前にマスクを外し、カメラに顔全体が明るく映るよう調整しておきましょう。
ただし、コワーキングスペース、学校、会社の会議室など周囲に人がいる場所から参加する場合は、マスク着用が必要なこともあります。
その場合は冒頭で「周囲への配慮のためマスクを着用しておりますが、聞き取りにくい場合はお申し付けください」と伝えると、事情と配慮の両方が伝わります。
面接でマスクを外すときの言い方

マスクを外すかどうか以上に、面接ではその場の言い方が印象を左右します。
同じ行動でも、無言で外す、面倒そうに外す、相手に確認してから外すのでは、受け取られ方が大きく変わります。
ここでは、外す場合、着けたままにしたい場合、面接官から指示された場合に分けて、使いやすい言い回しを整理します。
外すときの一言
自分からマスクを外したい場合は、許可を求める言い方にすると丁寧です。
面接は応募者が評価される場である一方、企業と応募者が互いを確認する場でもあるため、相手に配慮しながら自分の意図を伝える姿勢が大切です。
- マスクは外してお話ししてもよろしいでしょうか
- 表情が見えるよう外してもよろしいでしょうか
- 面接中は外してお話ししても差し支えないでしょうか
- 必要に応じて着用いたしますのでお申し付けください
「外します」と断定するより、「外してもよろしいでしょうか」と尋ねるほうが相手の判断を尊重できます。
言い方は短く、声は普段より少し明るめにすると、マスクを外す動作そのものよりも礼儀正しさが伝わります。
着けたいときの伝え方
体調管理や感染対策のためにマスクを着けたまま面接を受けたい場合は、冒頭で理由を簡潔に伝えると安心です。
理由を細かく説明しすぎる必要はありませんが、何も言わずに着用し続けると、面接官によっては「表情を見せたくないのか」「声が聞き取りにくい」と感じる可能性があります。
| 理由 | 伝え方 |
|---|---|
| 体調管理 | 体調管理のため着用したままでもよろしいでしょうか |
| 花粉症 | 花粉症のため着用してお話ししてもよろしいでしょうか |
| 同居家族への配慮 | 家庭の事情で感染対策を続けております |
| 会場への配慮 | 必要でしたら外しますのでお申し付けください |
着用を希望する場合でも、面接官が本人確認のために一時的に外してほしいと依頼する可能性があります。
完全に外せない事情がある場合は、当日その場で初めて伝えるよりも、事前連絡で相談しておくと企業側も対応を考えやすくなります。
指示を受けたときの返答
面接官からマスクについて指示されたら、まずは落ち着いて返答することが大切です。
「はい」とだけ答えて無言で動くよりも、「承知いたしました」「失礼いたします」と一言添えることで、面接中の所作が丁寧に見えます。
外す指示を受けた場合は「承知いたしました、失礼いたします」と言い、再着用を促されたら「ありがとうございます」と返して着け直します。
着用を続けてよいと言われた場合は、「ありがとうございます、このまま失礼いたします」と返すと、相手の配慮を受け取った印象になります。
面接では言葉の内容だけでなく、指示を受けたときの表情、動作の落ち着き、相手への返答の早さも見られているため、マスク対応も面接マナーの一部として準備しておきましょう。
マスクを外した後の扱い方

マスクを外すタイミングが合っていても、外したマスクの扱いが雑だと清潔感を損ねます。
面接では書類、鞄、筆記用具、スマートフォンの扱いと同じように、マスクの置き方やしまい方にも人柄が表れます。
外したマスクを机に直接置かない、表面を触りすぎない、再着用しやすい場所にしまうという基本を押さえておくと、余計な不安を減らせます。
机に直接置かない
外したマスクを面接机の上に直接置くのは避けたほうがよい対応です。
面接机は企業の備品であり、他の応募者や面接官も使う場所なので、使用済みのマスクを置くと不衛生な印象を与える可能性があります。
- マスクケースに入れる
- 内側を合わせて折る
- 鞄の取り出しやすい場所にしまう
- 予備マスクと使用済みを分ける
どうしてもケースがない場合は、内側同士を合わせて折り、清潔な袋や鞄のポケットに入れるとよいでしょう。
面接中にマスクを手に持ったまま話すと落ち着きがなく見えやすいため、外したらすぐにしまう動作まで練習しておくと安心です。
ケースを用意する
面接には、薄型のマスクケースを一つ持参しておくと便利です。
マスクケースがあれば、外したマスクを清潔に保管できるだけでなく、面接官から見ても準備のよい応募者という印象につながります。
| 持ち物 | 役割 |
|---|---|
| マスクケース | 外したマスクの保管 |
| 予備マスク | 汚れや破損への備え |
| 小さな袋 | 使用済みの分別 |
| 携帯用ティッシュ | 汗や口元の確認 |
ケースは派手なキャラクター柄よりも、無地で薄いもののほうがビジネスシーンに向いています。
鞄の奥に入れてしまうと取り出す動作が大きくなるため、受付前に取り出しやすい場所へ移しておくと、面接室で慌てずに済みます。
口元の清潔感を整える
マスクを外す可能性がある以上、口元や顔周りの清潔感も事前に整えておく必要があります。
ひげの剃り残し、リップの乱れ、口紅のにじみ、歯への付着、乾燥した唇などは、面接中に自分では気づきにくい部分です。
出発前だけでなく、会社の近くや建物に入る前に化粧室で軽く確認しておくと、本人確認で急に外す場面にも落ち着いて対応できます。
口臭対策も重要ですが、香りの強いミントや香水でごまかすより、歯磨き、うがい、水分補給など基本的なケアを優先しましょう。
マスクを着けていると表情が隠れるぶん安心しがちですが、面接ではいつ外すかわからない前提で準備することが、当日の余裕につながります。
業界別に見る判断の違い

マスクを外すタイミングは、すべての業界で同じとは限りません。
企業の採用方針だけでなく、職場で接する相手、衛生管理の厳しさ、来客対応の有無、現場見学を伴うかどうかによって、求められる配慮が変わります。
ここでは、業界ごとの傾向を知り、面接案内や当日の雰囲気に合わせて判断するための考え方を整理します。
医療や介護は慎重にする
医療機関、介護施設、福祉施設、保育施設などでは、マスク着用への意識が高い傾向があります。
重症化リスクの高い人、乳幼児、高齢者、体調が不安定な利用者と接する可能性があるため、一般企業よりも感染対策に配慮した行動が求められやすいからです。
- 面接案内の記載を確認する
- 受付では着用を続ける
- 外す前に必ず確認する
- 施設見学では指示に従う
厚生労働省も、医療機関や高齢者施設などを訪問する場面ではマスク着用が効果的であると案内しています。
この分野では「表情を見せたいから外す」よりも、「相手や利用者に配慮して確認する」姿勢のほうが評価されやすい場面があります。
接客業は表情も見られる
販売、飲食、ホテル、受付、営業などの接客に近い職種では、表情や声の伝わり方も面接で重視されやすくなります。
顧客対応では、明るい表情、聞き取りやすい発声、相手に安心感を与える態度が仕事の成果に直結することがあるためです。
| 職種 | 見られやすい点 |
|---|---|
| 販売 | 笑顔と受け答え |
| 飲食 | 清潔感と声量 |
| ホテル | 所作と安心感 |
| 営業 | 表情と説明力 |
このような職種では、面接官から外してよいと言われたら、表情が伝わる状態で話すほうが強みを見せやすくなります。
ただし、食品を扱う現場見学や混雑した店舗内での面接では着用が求められることもあるため、面接室と現場で対応が変わる可能性を考えておきましょう。
オフィス職は案内を優先する
事務、企画、経理、人事、エンジニアなどのオフィス職では、企業ごとの運用差が比較的大きくなります。
完全にマスクなしで来客対応をしている企業もあれば、会議室や受付では着用を推奨している企業もあります。
そのため、面接案内メール、採用ページ、受付の掲示、面接官の着用状況を総合的に見て、最後は冒頭の確認で判断するのが現実的です。
オフィス職では、マスクの有無そのものよりも、相手に合わせて丁寧に確認できるか、声が聞き取りやすいか、落ち着いて受け答えできるかが重要です。
特別な事情がない場合は、会場までは着用し、面接開始時に外してよいか確認する流れを基本にすると、どの企業でも大きく外しにくい対応になります。
面接前に準備したい確認事項

面接当日にマスク対応で迷わないためには、前日までの準備が欠かせません。
面接案内を読み返し、企業の方針を確認し、予備マスクやケースを整えておくだけで、当日の不安はかなり減らせます。
ここでは、面接前に確認したいポイントを、案内メール、持ち物、体調不安の相談という三つの視点で整理します。
案内メールを読む
面接前には、企業から届いた案内メールや採用管理システムのメッセージを必ず読み返しましょう。
マスク着用に関する指定は、持ち物欄、来社時の注意事項、受付方法、感染対策の案内などに書かれていることがあります。
- マスク着用の指定
- 受付での検温有無
- 本人確認書類の持参
- 現場見学の有無
- 集合場所と待機場所
指定がある場合は、個人的な考えよりも企業の案内を優先するのが基本です。
指定がない場合でも、会場の性質や業界を踏まえ、迷ったら当日の冒頭で確認する前提にしておくと落ち着いて対応できます。
持ち物を整える
マスク対応は、持ち物の準備でかなりスムーズになります。
外すタイミングばかり考えていても、しまう場所がない、予備がない、口元を整えられないという状態では、面接室で慌てる原因になります。
| 準備物 | 理由 |
|---|---|
| 清潔なマスク | 第一印象を整える |
| 予備マスク | 汚れや破損に備える |
| マスクケース | 外した後に困らない |
| 手鏡 | 口元を確認する |
| 飲み物 | 声の乾燥を防ぐ |
面接では小さな準備不足が動揺につながり、受け答えにまで影響することがあります。
マスク関連の持ち物は鞄の中で散らばらないようにまとめ、受付前に取り出しやすい位置へ移しておくと、所作がきれいに見えます。
体調不安は事前に相談する
体調不安や持病などでマスクを外せない事情がある場合は、可能であれば事前に企業へ相談しておくと安心です。
当日いきなり「外せません」と伝えるより、事前に共有しておいたほうが、企業側も本人確認の方法や面接環境を調整しやすくなります。
相談するときは、詳しい病名や家庭事情をすべて説明する必要はなく、「体調管理上、面接中もマスク着用を希望しております」と簡潔に伝えれば十分な場合が多いです。
企業から一時的な本人確認だけ依頼された場合に対応できるか、別室や距離を取った状態なら外せるかなど、自分の許容範囲も整理しておきましょう。
無理をして体調を悪化させる必要はありませんが、企業とのコミュニケーションを丁寧に行うことで、配慮を求める姿勢も前向きに伝わります。
面接のマスク対応は確認と言葉選びで整う
面接でマスクを外すタイミングは、会場に着いた瞬間ではなく、入室後の挨拶から着席前後にかけて確認するのが基本です。
企業から指示がある場合はそれを優先し、指示がない場合は「マスクは外してお話ししてもよろしいでしょうか」と一言添えることで、相手の方針を尊重しながら表情も伝えやすくなります。
着用したまま受けたい事情がある場合も、黙って続けるのではなく、体調管理や家庭の事情などを簡潔に伝え、必要に応じて本人確認への対応を相談することが大切です。
また、外したマスクを机に直接置かない、ケースを用意する、口元の清潔感を整えるといった細かな準備は、面接中の落ち着きや清潔感につながります。
マスクの有無だけで合否が決まるわけではありませんが、迷った場面で丁寧に確認し、相手に配慮しながら行動できる人は、面接全体でも安心感を与えやすくなります。


