学生時代力を入れたこと(ガクチカ)を就活のときに求められると聞いても、そんなにガクチカで書くことなんてない!と思ったりしませんか?
明確にこれを頑張ったといえる人ならいいですが、そんなに多くの人が大学生活で本気で頑張ったものはこれだとすぐに出すというのも無理があります。
多くの学生にとって一番頑張ったことは「大学受験の勉強」であって入ってからゆっくり過ごしていたりしてないでしょうか?
受験勉強を頑張りましたではダメなのでしょうか?
ここでは受験勉強を頑張りましたではNGであるということ、他の良い方法はないかということについて考えてみます。
大学受験が人生最大の頑張りどころになるのは当たり前
大学受験が一番頑張ったこと、ガクチカで入学以降はそんなにたいしたことをしているはずがない。
この気持ちは本当によくわかります。
これは本当に当たり前だと思います。
今まで生きてきた中で最大限勉強をするのが大学受験になる人がほとんどですし、その時期に一生懸命勉強していなかったら今の自分はいないわけです。
大学に入ることが本当にすべての勝負であって、その結果が第一志望であっても第〇志望であろうとも、頑張った事実は変わらず、だからこそ大学生活を送ることができたのです。
そんな思いをして大学に入ったというのに、それ以上のことを大学時代にできるのか。
これは実際のところ難しいように思います。
中にはそれ以上のことをやる強者もいるでしょう。
ですが、そんなことは全員は無理。
それは承知の上でそうではないことで、上手くガクチカを作ってクリアすることを考えていくしかありません。
全員が同じ経験をしているものに価値はない
受験勉強がガクチカだと何故いけないのか、これは全員が同じ経験をしているものであることが問題です。
大学受験は全員が頑張って全員が合格できるものではありませんが、就活の場においては、大卒募集である以上、全員が経験してきたものになってしまいます。(内部進学やAO入試等もありますが、一般的な話としてです)
全員が経験しているからわかりやすいことはわかりやすいですが、逆に努力をしているのが当たり前なので何の目新しさもありません。
高校生活を一生懸命に過ごしました!と言っているのと同じで、それは当たり前でしょ?ということを言われかねないものなのです。
冷静に考えてみると同じ大学に入っている以上、同じ苦労をして同じ成果を上げているものになりますし、全く同じ大学のライバルと差がつかない内容になります。
このガクチカの問題点として、差がつかないことに加え、他のライバルが別の話題を出した時点で、ライバルは大学受験を頑張ったことにプラスして〇〇をやったということになり、簡単に負けてしまいます。
ライバルに勝たなければいけないという戦いにおいて受験勉強は圧倒的不利な内容なのです。
偏差値40からの逆転話は?
受験勉強がガクチカとしてNG、それは差がつかない内容だからということですが、偏差値40から頑張って逆転して合格したという話になるとどうなのでしょうか?
大学受験を頑張っただけでは一緒でも偏差値40からということで人とは違った話になって、話としては面白くなります。
ただこれも就活の場としてはふさわしくはないテーマになるでしょう。
話としては面白いのですが、大学生になってすぐに受験生に対して話をするものであり、就活の場で話すものではないと考えます。
(教育業界に就職するのであればちょっと違うかもしれません。)
会社は結果を求めるものであり、偏差値40から頑張ろうと、もともと最初から偏差値が高かろうと結果が同じであれば、それは同じ評価にしかなりません。
これが他のテーマであれば変わってきます。スポーツで強くなくても、弱いチームを育てたとなれば良い評価が出てくることでしょう。
どうしても大学受験というのは、終わったことというイメージが強く、その過程がどうだということ自体を話すことがナンセンスになってしまいます。
結果が分かっている話になってしまうということ
受験の話をガクチカで使うのは結果が分かっている話になってしまっています。
受験の結果、今の大学に入学したのであって、もう大学の序列や偏差値等で評価はついてしまっているのです。
そこにどう工夫したかを話してもとても微妙です。
他のこと、例えばスポーツであれば全員がそれをやるわけではないので、ゼロから上手になったということは意味があります。
スポーツで県大会上位に入るという価値もあれば、大会に出る腕ではないけどゼロから上手になったということも価値が出てきます。
受験は、全員が通過するものであり、もう結果が出たものであり、そこをどう頑張ろうとあなたは〇〇大学卒、以上というものでしかありません。
他にないんですか?と突っ込みを受けてしまう要素にしかなりません。
大学受験までの人になってしまっている
受験の話をすることの問題として、大学受験までの人に思われてしまうということもあります。
大学受験の勉強をするのは当たり前ですが、高校時代です。
それが人生で一番頑張ったこと、ガクチカであるということは、その人のピークは高校時代であり、大学時代にはそんなにアピールすることをできていませんということの証明になりかねません。
これは受験勉強の話だけではなく、ガクチカで高校生の話を出す場合でも当てはまります。
私は高校時代~を頑張りました、という話は、「高校時代は頑張ったけれど、それがピークで大学時代は目立つ実績がなくなってしまいました」と言っているように見えるのです。
もう人生のピークが終わってしまいましたなんて人が会社に入っても、活躍してくれそうなイメージはありませんよね。
ピークは大学時代であり、引退なのでやることは変わっても、その能力が会社に入ってからも活かして活躍するという流れでなければいけません。
就職活動までの3年間何もしていなかった?
大学に入ってから就職活動が始まるまでには約3年間の時間があります。
3年間というのは高校生活と同じ時間です。
3年間も経過していて、一番頑張ったことが高校時代の話というのは、その後何もしていなかったのかと言われてもおかしくないくらいの時間が経ってしまっています。
高校生のときに受験で努力をしてきて成功した人であれば、その後も同じ期間があるのだから、当然何か話せるようなことがあるはずです。
せっかく大卒を採用するのですから、大卒ならではの経験をアピールできなければいけません。それは大学に入ることではなく、入ってから何をやったかということなのです。
受験勉強はすでに学歴ということで評価されている
本当に一生懸命頑張ったことは受験なのに、これは評価されないのか?
そんな心配をする必要はありません。
受験勉強を頑張ったことはその大学に所属しているということですでに十分に評価されています。
大学名は関係ないなんてことは就活においては全くのウソであり、所属している大学によって企業側の扱いは大きく異なります。
高学歴の立場になっているのであれば、その恩恵は十分に受けることができるはずです。ただそれだけでは内定が取れるということはなく、その上でどうなのか、大学時代に何をやってどういう考えを持っているのかを問われているのです。
ガクチカはそんなに大きな話でなくてもいい
そんなことを言われても、本当に頑張ったのは受験勉強くらいしかない。
だから困っているということだと思います。
実際のところガクチカについてはそこまで大きな話である必要はありません。大学生なんてほとんどの人がたいしたことをしていません。
逆にたいしたことをしているという人は大きな差別化になりますし、そういう人達が有名企業、トップ企業に就職できるのはある意味当然であり、そうしなかった人は仕方ない部分もりあります。
ただ、多くの学生がたいしたことをしていない以上、勝てる可能性は十分にあります。
たいしたことをしていなくても、そこから考えたこと、工夫したことの説明であったり、話を大きくすることで、十分なテーマとして成立させることはできます。
ほとんどの人はサークルやアルバイトの話です
実際にほとんどの人はガクチカとしてサークルやアルバイトであったり、ゼミや旅行の話をすることになります。
全員が学生中にとんでもない実績をつくって企業をうならせるなんてことができるわけがありません。
サークルやアルバイトの話でいいのであれば、何かの経験はないでしょうか?
今は就活でもうやめていたとしても、学生の1~2年のときまで振り返ったら何かを一生懸命やっていたことくらいはあるのではないでしょうか。
それらの話を掘り起こせば見えてくるものはあるはずです。
他人と比較しにくいものにする
ガクチカの内容はできるだけ他人の簡単に比較できないものにするのがいいでしょう。
学歴の話はNGですし、資格取得系もよくありません。
〇〇の資格で2級を取りましたという話をして、ライバルで1級の人が出てきてしまうとそれで終わりになってしまいます。
スポーツでも中途半端な順位のアピールはよくありません。
そうではなく、その過程で頑張ったことや工夫したことをアピールするということです。
資格取得も受験勉強と同じで結果で評価されがちであり、テーマとして微妙なものがあるのですが、~を頑張った結果〇〇の資格を取りましたということで、あくまで資格を取ったのは結果の一部であるというような見せ方をするのであればありになるでしょう。
具体的な数値として〇〇のアルバイトをして、売上が〇〇円伸びたというような話をするのは良いです。これは単純に〇〇円伸びたといっても、業種が違ったり店によって状況が違うので、単純比較されにくく強みになります。
頑張って簿記2級を取りましたという話だと、私も学生のときに取りましたよ、と言われて終わってしまうかもしれません。
そこまで大きな実績である必要はないので、なるべく比較されにくいものを選ぶようにしましょう。
勉強で勝負するのもいい
受験勉強を頑張って大学に入って、大学に入っても勉強を頑張ったという人。
ガクチカとなると、何かサークルやアルバイト等の課外活動的な面が注目されがちですが、逆に勉強を頑張ったということをアピールしても大丈夫です。
その場合は、きちんとその過程と結果をアピールできる状態にしておくことです。ただ授業に出てテストでいい点をとりましたでは芸がなさすぎます。
本当に大学で勉強を頑張ったのであれば、ゼミのような場で研究実績のようなものを出したり、何かのディスカッションをしていたり、机上だけではない実地調査をしていたりというようなものが出てきたりするはずです。
勉強で勝負するのも良くて、後はどのように見せることができるのかということが課題となってくることでしょう。
企業は何を求めているのかを考える
ガクチカで何がいいのか、何が悪いのか。
これは結局のところ、自分がアピールしたいことを中心に考えるのではなく、企業が何を求めているのかを考えることによって解決できます。
企業側は
・会社のメンバーが一緒に働きたいと思える人なのか
・適切なコミュニケーションができる人なのか
ということを考えているはずです。
そうした話につなげることができるエピソードであれば何でもいいのです。
これを読み違えて、自分のアピールしたいことを言っても、企業側に全く響かないものだとNGとなってしまいます。
企業側はどのようなエピソードだと興味を持ってもらえるのかという視点で考えてみることが大事です。
まだ努力で捻り出せるものがあるはず
受験勉強しかどうしても頑張ったことがないという人。
そういう人はまだアイディアを捻りだす努力が足りていません。
受験勉強を努力で乗り越えた人であれば、同じく努力をして今回のガクチカについてもアイディアを出して乗り越えられるはずです。
そのエピソードが実際には大したことがなくても話を広げること、視点を変えることによって、意外と良く見えてくるということがあります。
特別な実績でなくてもその人の性格が見えるもの、頑張りが見えるものというように見せることは可能なのです。
まとめ
学生時代力をいれたことが受験勉強しかないという人。
受験勉強を頑張りましたということを就職で話したいという人向けに今回の内容を書きました。
結論としてはガクチカで受験勉強の話はNG。
NGである理由も書きましたし、根本的に企業が求めているものとずれてしまっています。
受験勉強を乗り切る頭がある人であれば、就活で使えるエピソードであっても、思いついて工夫することができるはずです。
もう少し掘り起こしを頑張ってみて、新しい別のエピソードというのも探してみましょう。
本当に何もなくて困っている、いくつかあるが何が良いかわからないという場合、就活エージェントに相談してみるのもいいかもしれません。