就活のために留学経験を積みたい、または既に留学経験があるので就活に活かしていきたいと考えている方。
留学経験と就活の関係について調べていると、留学経験は就活のアピールとしては役に立たないとか、不利になるとかというような話も出てきたりします。
留学といえば有利なイメージもありますがこれは本当なのでしょうか?
ここでは留学経験と就活の関係についてお話しします。
短期の語学留学は微妙
留学といっても、その中身には違いあり、一ヵ月くらいの短期留学もあったりします。
一ヵ月といっても留学であることは間違いありませんが、この一ヵ月のおかげで日常会話がなんとなくできることになったとアピールされてもさすがにアピール内容としては弱く見えます。
一ヵ月行けば誰でもそのくらいにはなるでしょうというようなことと、ただ旅行を楽しむのと変わらないのであれば、アピール材料にはなりません。
就活で有利になるために、自己PRに使うために行きました感が溢れてしまうととても微妙なものになってしまいます。
そのため短期留学を下手にアピールするのは良くない説も出てきたりしているようです。
これは絶対にNGというものではなく、自己PRの仕方というようなことになってきます。
旅行の延長的な雰囲気で大変だったけどなんとか楽しんできましたではなく、英語力を上げるにいったにしても、どうやって英語力を上げたのか等の工夫も必要になります。
短期留学をしましたではなく、そこでどう工夫したのかにシフトしていけば問題のないテーマにはなってくるのでしょう。
グローバル系学生は多くいる
留学をすると有利というイメージはあるのですが、実はグローバル系の学生というのはかなり多くいます。
文部科学省の発表している日本人の海外留学者数を見ると、10万人を超えているという数値が出ています。
文部科学省:「外国人留学生在籍状況調査」及び「日本人の海外留学者数」等について
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ryugaku/1412692.htm
その年によって留学者数は変化するとは思いますが、少なくとも現在において留学しましたというのはそこまでのレアな話ではなくなっているということです。
10万人が全部大学生だとすると大学生の20%程度は留学経験ありということになります。
さらにその人達が有名企業やグローバル企業に応募してくると考えると、自己PRで留学話がたくさん出てきてしまいます。
ちょっとくらいの留学経験であれば全然目立たなくなってしまいますし、話し方を工夫しないと他の優秀な留学経験者に勝てず、余計に不利になってしまうということもあります。
留学しましたではオンリーワンになれないので、そこからの差別化が必要になるのです。
留学先で何をしていたかが大切
留学経験を就活でアピールするには留学先で何をしていたかが重要になります。
ただの語学留学ではなく、留学先でインターンを行って、さらにそこで一定の実績を出してくるような学生までいます。
他には国際的な場での議論に参加した経験があったり、異なる文化の人との衝突等をうまく導いた等の実績を持つ人もいます。
ただ海外に行って英語が多少得意になりました、価値観が変わりましたというのはイマイチになるということがわかりますね。
すべての企業がそんなにレベルの高い学生が応募してくるわけではありませんが、留学経験があってそれを武器にしたいということは、おそらくそれなりのレベルを考えている方も多いと思います。
だからこそ、語学以上のもののアピールを考えるべきなのです。
何がその企業にとって役に立つのか
留学をすること自体は良く、それを面接で話題に出す場合、語学力向上ではなく、何がその企業にとって役に立つことなのかを考えることが必要です。
留学をして何に気づいて、何がその企業にとって役立つのかです。
英語を使う職場ということであれば語学力向上は役に立ちますが、それだけではあまりにも短絡的ですし、英語ができることを新人に求めているのかというと、それよりは違う経験であったり、コミュニケーション能力を求めているはずです。
留学をするということが一つのチャレンジではありますが、実際に留学したらそこでいろいろな出来事が起こって、現地でチャレンジをしたりすることや、コミュニケーションが必要となることが出てくるはずです。
日本ではない場所で起こった困難をどのように乗り越えてきたのかがアピールできれば強いですよね。
価値観が変わったらどう変わったのか、それがその企業でどのように活きてくるのか、そこまでの答えを用意して臨むようにしましょう。
留学をしたから有利不利ではない
留学をしたら有利、留学をしたら不利なんて話が出てきますが、実際に留学をしたから有利不利というようなことはありません。
留学をしていない人でも優良企業の内定は問題なく取れますし、留学したからといって内定が取れやすくなるのかというとそれは違うというものがあります。
留学をするということで、ちょっと異なる経験をして、やや有利という面は出てきますし、このことが不利になるということは原則ありえません。
ただそれをどう活かすかはその人次第で上手く活かしきれていないことも多いのです。
また留学経験を語っていて、なかなか内定が取れないという人の中には実はその留学経験の内容ではなく、もともとその人自体に採用がされない原因があった、他の能力が低かったということもあります。
留学が絶対的有利な条件ではないということで、そこで何をしたのか、できれば語学以外の視点を持ちたいところです。
語学のレベル勝負になってしまうと、単純に自分よりも英語が話せる人が出てきたらそれで終わりになってしまいますし、よほどのレベルでない限り難しい面も出てきます。
自己PRの強みはどこにあるのか
留学経験を自己PRとして使うときに、留学経験があるから語学が得意というのは攻め方としてはあまりよくありません。
それではなく、強みとして例えば「行動力がある」という強みがあって、それを証明する出来事が留学としてありました。
これだと、1つのエピソードとして有力なものが出てきます。
調整するのが得意ということで、留学中にこんなことをしました。
というように留学はあくまで手段であり、その能力を見せる場が留学中であったというようなものもいいですね。
企業としては通訳者としての採用でもない限り留学経験を知りたいのではなく、どのような能力がある、ポテンシャルがある人なのかを知りたいはずです。
この部分を説明するために上手く留学を一つの経験として取り入れていけば企業側も納得しやすい話ができるかもしれません。
単純な語学留学しかないという場合
留学中に何か思い切った行動ができていたり、明確な実績があればいいですが、自分は本当に純粋な語学留学のみで、そこまでの経験はなかったという場合。
この場合でも、ここが使えるエピソードとして最大のものであれば、後はこの内容をうまく取り入れていくしかありません。
語学留学で語学向上がメインだったとしても、ただ英語力が上がりました、TOEICが何点になりましたでは、資格欄を見ればわかることで面接や自己PRでは弱いです。
もし語学勝負であれば、単純な実力や点数勝負ではなく、具体的にどのような方法をもって弱点であった英語力を伸ばしたのか、どう工夫したかのプロセスを明らかにして、創意工夫の力、努力を見せるような方向性がいいかもしれません。
そうはいっても英語能力が高いのは大きい
留学経験と就活というような話で調べてみると、留学をしても不利だとか、留学経験は役に立たないとかそのようなニュアンスで書かれた記事はよく出てきます。
実際に留学経験者が増えてきたので希少性がなくなってきているのは事実です。
ただ、留学経験者への戒めとしてこのような内容が出ているのかなというところもあるのかなとも考えられます。
語学力が強いということは、それだけで一定の強さは間違いなくあります。中途半端な資格を持っているよりは英語ペラペラの方が全然良いというものです。
国際展開を考えていたり、海外と取引がある企業において英語が話せないのはその仕事ができないということになりますし、英語ができるというだけで基礎能力は高いことの証明にもなります。
留学経験があると日本で英語を勉強して身に着けたという人とは異なり、異文化経験が多少なりともあるということで、ある程度のコミュニケーション能力はあるとも見ることができます。
ハイレベルな戦いの中に巻き込まれるとより一層の工夫が必要とはなりますが、経験自体は貴重なものであり、就活にも役立たないなんてことはありません。
就活のネタ以上に得られたものがあるのでは
留学経験をして価値観が変わった等がよく出てきますが、単純にそれを就活のネタとして使えるかはおいておいても、実はそれ以上の価値があったのではないでしょうか。
価値観が変わることによって、就活で志望する企業においても変化が出てきたのかもしれません。
何か働きたい職種であったり、生き方全般に変化が出てきたということもあるでしょう。
留学経験を就活のためだけにと考えるのはもったいなく、実際にはもっと多くの経験が手に入っているはずです。
社会人になってからでは海外旅行はできても本格的な留学をするのはハードルが高くなってしまいます。
学生のうちしかできない経験を積んだということは将来においても、直接的ではなくても何かの役に立っていくはずです。
就活のネタとして短期的に出すのではなく、その先を考えていけば、就活においてもより強い動機や自己PRも生み出せるのではないのでしょうか。
まとめ
留学経験があることを就活でアピールするのは有利なのか不利なのか。
良いアピール方法はあるのかということについて話をしてきました。
留学経験自体は有利に動く材料の一つにはなりますが、最近は留学経験者が多く差別化がつきにくくなっているということ、グローバル企業や有力企業には、グローバル学生が集中してきやすいということもあり、それだけでの勝負は難しくなってきています。
ただ、留学経験をしたことではなく、そこから得られたものであったり、自分自身の能力をアピールすることができれば、留学が良いか悪いかということではなく、自分自身の能力証明として良いものが出来上がってくるでしょう。